交通死ー遺された親の叫びⅡ(最新〜2013) 交通教育

【報告】体験講話「命とクルマ、遺された親からのメッセージ」続報(3月2日)

2014年3月2日

「北海道新聞」2013年8月3日

生徒の感想文が、このほど警察庁主催の作文コンクールで表彰

 1月1日の報告の続きです。
 体験講話「命とクルマ 遺された親からのメッセージ」を聴いた生徒の感想文が、このほど警察庁主催の作文コンクールで表彰されました。
 上の記事で紹介された2013年7月の登別市立鷲別中学校での講話を聴いた3年生の榊美祐さんの作文「命の大切さ」は、警察庁長官賞を受けました。以下に紹介します。

 なお警察庁給与厚生課長賞を受けた北海道札幌西陵高等学校3年の古田純彩さんと、北海道倶知安農業高等学校3年の渡邊絵美子さんの作文は「スローライフ交通教育の会」の会報17号に掲載しています。

命の大切さ

登別市立鷲別(わしべつ)中学校 
3年 榊 美祐(みゆ)

 「命の大切さ」。改めて考えてみるきっかけとなったのは、先日、全校道徳で講義をしてくださった前田敏章さんのお話しでした。
 前田さんは、当時高校二年生だった娘さんを交通事故で亡くしています。大切な家族を失ってしまう悲しみが痛いほど伝わってきました。
 「娘の死を無駄にして欲しくない。」と、前田さんはおっしゃってました。この言葉をきいて、私は交通ルールと命の大切さについて考えてみることにしました。
 まずは、交通ルール。私が普段通っている通学路には歩道がなく、車との距離が少ししかない場所があります。今までは友達と話をしながら並んで歩いていたのですが、広がって歩くことで車道側を歩く友達が危険にさらされてしまうと思うようになり、一列になって歩くことにしました。
 このような「ちょっとの意識」が危険を安全に変えられることを実感しました。
 もう一つは、命の大切さについてです。大切な家族、友達の命のことを考えてみました。
 私の母は、私が幼稚園に通っていた頃、脳内に脳腫瘍が見つかり、手術を受けました。
 今では元気な母ですが、無理をしてしまうといつ再発するかわからない状態です。
 あの時は私もまだ幼くて、どのような状況だったのかあまり記憶にないのですが、今になってこそ家族の大切さがわかります。
 前田さんは、このようなこともおっしゃっていました。「子は親にとって宝である」。
 私が産まれたとき、家族のみんなは「産まれてきてくれてありがとう。」という気持ちだったという話をしてくれたことがありました。
 私はこの言葉を聞いて、「産んでくれてありがとう。」と思うようになりました。
 家族と一緒にいられる時間、1分1秒を大切にすること。また、思いやりの気持ちをもって家族と過ごすことを心に決めました。
 家族だけでなく、友達も私にとってとても大切な存在です。
 今年に入ってから、「いじめ」にあって自殺してしまう生徒のニュースをよく見ます。
 私の学級でも以前、友達同士で「死ね」という言葉を言い合っているのを目の当たりにしたことがあります。
 物を隠す、暴力をふるうということだけがいじめではありません。
 言葉とは、人と人とのコミュニケーションをとるための大切な手段ですが、ちょっとした一言でも傷ついてしまうことだってあるのです。
 『言葉を大切にする』イコール『命を大切にする・守る』ということにつながると私は思います。
 前田さんの講義をきいて、少しでも命について考えることができました。そのきっかけを提供してくださった前田さんにはとても感謝しています。ありがとうございました。
 これからは、「交通ルールを守る」「言葉がけを優しくする」「相手を思いやる」といった、私にもできることをやっていきたいと思います。
 一人でも多くの人の命を大切にできますように・・・

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