相互支援の記録(2000〜2013)

【No.006】音喜多康伸君交通死事件、支援の記録

2002年8月31日

音喜多康伸君事件を支援するページ

since 2002/8/31 renewal 11/23 last up 2003/11/14

事件の概要

 私どもの息子、音喜多康伸(中学2年)は、夏休みの初日の2002年7月25日、悪質な交通犯罪者に命を奪われました。事故後の捜査やその後の過程で納得できることは何一つ無く、被害者の悲しみに追い討ちをかけることばかりです。
 私たちは加害者を危険運転致死罪で告訴しました。当事者でありながら真実の見えない遠くへ追いやられている被害者は、警察に真実を求め、加害者に誠意を求め、検察に正義を求めるために告訴が必要なのです。
(02/11/15 フォーラムでの発言より)
この事件に関する報道記事

《経過》

2003年11月4日

札幌高裁にて被告側控訴を棄却するとの判決。1年6月の実刑が再度言い渡されました。ご両親の報告

2003年10月16日

加害者側が1年6月の実刑判決を不服とし、不当に控訴した二審の公判が札幌高裁で行われました。検察側は控訴棄却を主張。亡き康伸君の妹さんが涙の意見陳述をしました。

2003年10月16日

危険運転致死罪適用を求める署名の4回目提出。追加分977筆を加え、総計12,940筆です。ご協力に感謝します。

2003年6月9日

札幌地裁判決は、求刑通りの実刑(禁錮1年6月)でした。

2003年5月26日

第2回公判が行われ、康伸君のご両親が計50分にわたって意見陳述をしました。求刑は1年6月という極めて軽いものでした。

2003年5月8日

第1回公判が行われ、被告人訊問などが行われました。

2003年3月28日
9回目の検事面会の報告

私たちの願い届かず、札幌地検は、危険運転致死罪ではなく、「業務上過失致死罪」での起訴を決めました。これからも危険運転致死罪での起訴を求める署名を続け、起訴罪名の訴因変更や追加について公判検事を含めた検察庁全体に主張していく所存ですので、お力添えを心よりお願い申し上げます。詳細は「9回目の検事面会の報告」をご覧下さい。

2003年2月14日
8回目の検事面会の報告

「人の通行を妨害する目的で」の故意性を証明するために、衝突に至るまでの加害車輌と被害自転車の秒単位における時系列の挙動を衝突点からさかのぼって試算した詳細な資料を提出。危険運転致死罪での起訴を強く訴えました。要望書は今回416通を追加し、総計で6,853通になりました。皆様のお力添えに感謝致しております。報告の詳細は「8回目の検事面会の報告」にあります。要望書と合わせて危険運転致死罪適用を求める署名にご協力下さい(音喜多)
「意見」一覧 皆様から寄せられた要望書の「意見」を紹介します
「意見」一覧(子ども) 子どもさんからの意見です

2003年1月21日
7回目の検事面会の報告

陳述書と自転車や装着品、写真など証拠品を提出。捜査の徹底、危険運転致死罪での起訴を強く訴えました。報告の詳細は「7回目の検事面会の報告」にあります。

2002年12月17日
6回目の検事面会の報告

陳述書と小さい時から撮りためた数千枚のスライドの一部、要望書に書かれた意見の抜粋(子供26名を含む91名分)を提出し、「加害者がたとえ死刑になろうとも私達は決して癒されることがありません。私達は今後このような悲惨な交通事件が少しでも減少できるように、抑止力として危険運転致死罪での厳罰の適用をどうぞよろしく願います」と強く訴えて来ました。要望書は総計で5,733通になりました。(音喜多)

2002年11月22日
5回目の検事面会の報告

要望書を追加提出し、総計5,146通になりました。ご協力に感謝します。なお、警察の実況見分調書については、私共が提出した証拠など科学捜査研究所に送って再調査中ということです。要望書に込められた皆様からの「声」が力になっています。 今後ともよろしくお願いします。(音喜多)

2002年10月28日

危険運転致死罪で告訴

2002年10月3日

札幌地検に3,034通の要望書を提出しました

2002年8月

事件概要と「危険運転致死罪」での厳罰を求める要望書を開始

2002年7月25日

事件発生(事件に関する報道一覧

札幌高裁は被告側控訴を棄却し、1年6月の実刑を言い渡しました

息子康伸の名誉と尊厳は保たれました要望書、署名、傍聴などご支援に心よりお礼申し上げます

平成15年11月6日 音喜多 一 ・ 真理子

 平成15年6月9日、札幌地方裁判所は、求刑満額とは言え、私たちには軽すぎる想いの1年6月の判決を出しました。しかし不遜にも加害者濱井は量刑不当と控訴。11月4日、この控訴審判決公判が札幌高等裁判所にて開かれ、控訴棄却されたことをお知らせいたします。
 加害者濱井の控訴理由は全て退け棄却され、息子康伸の名誉と尊厳は保たれました。多くの方の要望書や署名・傍聴支援は社会的な力を与えてくださり、被害者遺族の方々の経験から司法システムに対し情報と勇気をいただきここまでこれた事を亡き康伸に代わり心よりお礼申し上げます。
 なおも、姑息な加害者は又も時間稼ぎのため上告するかもしれませんが、最高裁は憲法違反及び人権問題にならない上告理由に対しては受け付けないとのこと、しかし書類を却下するまでの時間が半年以上かかるそうです。いずれにしても、濱井は刑務所暮らしが決定しました。加害者側控訴理由の要約は以下のとおりです。

 加害者の運転には何ら過失はなく、発見が遅れただけの前方不注視だけの過失であるから今回にかぎり執行猶予がつけられるべきである。

  1. 被害者は加害車輌の左折ウインカー見て加害車輌が左方道路へ進入すると軽信した判断ミスがある。
  2. 被害者は自転車通行不可の下り坂の歩道上を性能のよい自転車で走行していたので、スピードが出ていた。
  3. 被害者はそのままの速度で一時停止もしないで、横断歩道に飛び込んできた。
  4. 被害者は、本来なら自転車から降りて歩いて横断歩道を渡るべきである。
  5. 上記の被害者の過失のため加害者は衝突を回避したが、できなかった。
  6. 保険金で損害は全面的に回復できる。
  7. 充分に救護及び報告義務を果たした。
  8. 逮捕され釈放された後すぐ被害者宅を訪れ、事故の説明と仮通夜のお参りをした。
  9. 通夜と告別式に列席し、香典5万円を持参したが、後に返された。
  10. 初七日にお花を持って現場にお参りした等、誠意ある行動をとった。
  11. 勤務態度は、勤勉に従事していた会社を、被害者遺族が頻繁に訪れた為会社に迷惑をかけたくないので自ら辞職した。
  12. 被告人の妻の祖母が高齢で健康を害しているので、私が必要だ。
  13. 減刑嘆願書1,100筆を集めたことから、社会内では善良な市民である事を示す。
  14. 前科・前歴がない。

 それに対する裁判所の判決文を私が覚えているかぎりのせます。
主文:本件控訴を棄却する。
理由:本件の現場の状況、被害者及び被告人の態様を鑑みると被告人は注意する事によりあらかじめ、被害者を発見し被害者が前方の横断歩道を渡る事は、あらかじめ容易に予見できる事は認められるのであるから、被告人の過失の内容は悪く、程度は大きい。
被告は被害者のマウンテンバイクが高級車であることから、単に速度が相当出ていることや、被害者が走行していた歩道は自転車に乗ったまま通行してはならない歩道であり、被害者が自転車から降りて、通行すべきであったこと、さらには被害者は被告人車輌が左に方向指示器を出したのを見て、勝手に左方道路に入るものと思い、横断歩道手前で一時停止することなく、横断を開始したとすること等にふれ、被害者の過失を指摘しているが、しかしながら、被害者は歩道を下ってきたと思われるが、その先は行き止まりになっていて本件横断歩道を通行するしかないうえ、行き止まりの為、ほぼ直角に回らなければならないのであるから、被害者の自転車の性能如何にかかわらず、かなりの速度が出ていたと推測することは出来ない。本件横断歩道が自転車に乗ったままでの通行が禁止されている訳であったとしても、また被告人が左に方向指示器をあげている被告人車輌を見て、被告人車輌がそのまま左折して通行するものと考えて、横断歩道を通行したとしても自動車の運転者は、このような自転車車輌等を予測し、必要な場合には横断歩道の手前で停止するなどして通行するべきであったのであるから、それらを被害者の落度として過大に考えることは相当ではない。
よって結局、被告人控訴趣意書はそのまま採用できない。

被害者は被告人の行為により、13歳の中学2年生という若さで無限の可能性を秘めた将来を突然に奪われたものであり結果はあまりにも重大である。本人の無念さはもとより、被害者をいつくしみ育てた両親や、被害者をこよなく慕っていた妹ら遺族の悲しみと憤りも計り知れないものがある。然るに被告人の遺族に対する言動の中には遺族の感情に対する配慮の欠けたものがあったことは伺われ、遺族の被害感情が厳しいのも当然である。
 以上が1から5までに対応する部分で6以下の情状に関する部分は、問題にもされていませんでした

9回目の検事面会(3月28日)の報告

地検は「危険運転」ではなく、不当に「業務上過失」致死罪で起訴

亡き康伸の名誉と尊厳のため、悲惨な交通事故をなくすため、たたかい続けます。今後もご支援をお願いします

平成15年3月29日 音喜多 一 ・ 真理子

 私共の願いは届きませんでした。

 3月28日、音喜多康伸事件についての札幌地方検察庁捜査検事の判断は、業務上過失致死罪での起訴ということです。その理由は、加害者がボーっとして前を良く見て運転をしていなかったと供述しているので、息子を死亡させたとしても、業務上過失致死罪(明治時代に出来た法律で、もともと工場作業中の過失にあわせて作られた。詐欺罪や窃盗罪よりも軽い法律)の適用ということです。なんとも意味不明です。

 もう一つは危険運転致死罪での条文「通行妨害目的での著しい接近」の立証が検察庁には難しいそうです。加害者と息子が、以前に面識があり、なおかつお互いに何かトラブルがありその上で横断歩道上に来る事が解っていて通行妨害したというのなら、立証できると言っていましたが、これでは明らかに殺人罪です。

 私共は、いつ人が通行するかもしれない横断歩道上手前において50km以上もの速度で、注意なき運転をしている事自体が、すでに故意に相当することを含め、独自に調査した衝突状況や証拠類からの考察と第三者の鑑定書、さらに息子の生前の人となり、遺された親の気持ち、加害者への被害感情を表した300ページ以上になる上申書や陳述書を提出、その都度面会を求め口頭でも伝えて参りましたが、どんな意味があったのか正直落胆しております。

 これでは交通死亡事件は減らないのでは?どうして加害者擁護の法律の解釈なのか?という問に、捜査検事は目を伏せ「どのように糾弾されても釈明もできません。ご要望に添えなかったこと申し訳なく思っております。私にも小さな子供がいますが、康伸さんのように13歳になった時にこのような事になったら、自分でも業過の罪状は納得できないと思います。この加害者は憎むべき人間です。どうかこれからの公判の中で納得するまで思いのたけを述べていただきたいと思います。」と申されていましたが、正義も英断も感じられない判断には、なにか今はむなしい思いだけです。

 少々愚痴っぽくなりましたが、罪状はともかく第一関門の目的を達せられたこと、公判請求の要望書にご協力下さった6,853名の皆様の意見とお力添えによって、裁判が開かれる事になりましたことに感謝致します。と、ともに危険運転致死罪での起訴を求める署名についてはこれからも続け、起訴罪名の訴因変更や追加について公判検事を含めた検察庁全体に主張していく所存ですので、今後も交通死亡事件の抑止の為のお力添えを心よりよろしくお願い申し上げます。

以下は検察庁宛て提出された「要望書」に記された記述意見です。
 ご協力いただいた皆様に感謝しながら一部を紹介させていただきます。

一般の方からのご意見

鹿児島県 O・H

 危険運転致死傷罪や道路交通法の厳罰化は交通弱者である歩行者や自転車に乗る人達を法的に守る為の改正です。そのために改正された法が、このような事件に適用されなければ、その意義は薄い。事件において加害者の人権は最大限に擁護されるが、ややもすると被害者の人権が軽視されるケースが多く見受けられますが、今回は13才という前途ある青少年の尊い命が失われております。康伸君の犠牲に見合う加害者の法的責任を明確にすべきです。そのことによって交通犯罪の撲滅や子供達が安心して暮らせる社会が構築できるものと考えます。

札幌市 M・T

 子供やお年寄りも安全に渡ることが約束されているのが横断歩道のはずです。まさに「危険運転」の結果が康伸さんの死につながったのに「事故だから仕方がない」と、ばかりに軽く扱われたのでは、又次の犠牲を生みます。「危険運転致死傷罪」の適用を望みます。

札幌市 S・T

 運転手の注意義務違反<前方不注意><一時停止義務違反><徐行義務違反>等で、人を死亡させるのは事故ではありません-未必の故意-による交通犯罪です。加害者は殺人を犯したのです。正しく厳しく正式起訴して下さい。

北広島市 D・K

 私共の長男も昨年夏、歩道上を50mも暴走する自動車にはねられ、わずか9才の命を奪われました、何の非もなく我が子の命を奪われることは、亡くなった本人だけでなくその家族の人生を崩壊させるほど苦しめます。それは殺人であるにも関わらず加害者の人権だけに配慮した刑事処分が繰り返され、亡くなった者の生きられた権利が全く反映されていないからです。康伸君の事件を聞くにおよび、繰り返される惨劇に“なぜ?どうして?”と立ちすくんで涙が止まらなかったあの日が何度もフラッシュバックしてきました。
 この事件の加害者のように、前言を翻したり反省の姿勢すら見せない運転者は、甘い刑事処分を隠れ蓑にして何度も同じ事を繰り返す可能性があります。安易な経験則から“よくある事故だから”といった判断をなされずに、このような悪質な交通犯罪には徹底した捜査と犯意の糾弾をされて起訴に臨まれることを要望します。
 折りしも、昨年11月28日の参議院本会議で“刑法の一部を改正する法律(危険運転致死傷罪)”が成立されたのに先立ち、法務委員会での可決の際、下記付帯決議が今後政府側に求める宿題として同時に可決されました。
※刑法の一部を改正する法律案に対する付帯決議 政府は本法の施行にあたり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
1.危険運転致死傷罪の創設が、悪質・危険な運転を行った者に対する罰則強化であることにかんがみ、その運用に当たっては、濫用されることのないよう留意するとともに、同罪に該当しない交通事犯一般についても事案の悪質性、危険性等の情状に応じた適切な処断が行われるよう努めること。
康伸君の事件は、成立した法律(危険運転致死傷罪)にも匹敵する悪質な事故と思っております。上記付帯決議にあるように悪質性、危険性等が極めて大きいことに鑑み、厳罰をもって処罰されることを要望します。

北広島市 D・K

 「なぜ」横断歩道上で死亡事故が起きるのか、原因をはっきり解明してもらわないと安心して子供を外に出すこともできません。「前方不注意」には必ずその原因があるのです。そしてそれは運転者が気をつけていれば決して起きることのないことです。包丁で人を殺せば「大きな罪」、車で人を殺せば「間違い(過失)」という感覚はおかしいと思います。
 尊い「命」が奪われたのです。犯罪行為の違いによって「命」の重さは変わりません。人為的に起こされる交通事故をなくし、子供達が安全に暮らせる地域社会を作るために、徹底的な捜査・事故原因の解明・厳正な処分を求めます。

徳島県 N・S

 どなたの上にも他人事ではないのです。命の重さを二度とご両親の手に抱く事が出来ない哀しみを少しでも考えてください。亡くなった子供さんにも人権はあります。どうぞ死亡した子供さんにも言葉を言わせてあげて下さい。同じ被害者の母です。検事さんの心ある判断でご家族がほんの少しでも癒されることを願う。

徳島県 N・T

 被害者は公判まで刑事訴訟法で人権を守られて、被害者遺族には事故状況を教えない、司法国家に疑問を感じる。家族が亡くなった事故原因、状況を知る権利はある。送検しても不起訴になるだろうとの、士気が無くなった杜撰な警察の初動捜査、面子に拘った再捜査はしない姿勢。 今までの判例に拘らず、誰が観てもおかしいと思う常識の観点から審議し、被害者遺族が納得できる処分を求めます。

徳島県 N・K

 私は1年9ヶ月前に高1の弟を車に殺され、現在、音喜多さんと同じように、地検に働きかけています。あまりにも加害者の過失は明らかであるのに、まだ判断はなされていません。せめて、被害者遺族を、とりあえず加害者と平等に扱い、スタートラインに立たせて下さい。被害者遺族の声も、どうか取り入れて下さい。どうかよろしくお願いします。

札幌市 K・T

 被害者のご両親の悲痛な心中をお察しすると慰めの言葉がでてきません。最近の車の運転は弱者を視認していても徐行しないで運転するものが多くみられ何か事が起きた場合それを正当化するものが増え、人の命を奪っても罪悪感がないのが現状です。文中から察しますと、加害者はこの類でしょう。悪質な暴走運転には警察も被害者の気持ちになり事故原因を徹底追求し厳罰に処して貰いたいです。ましてや被害者の命を奪った事実がある以上焼香はもちろんのこと謝罪すべきです。人格の欠落者ではないでしょうか、このような者を野放しにするのは許せません。ご両親様が納得するまで頑張って下さい。

札幌市 S・K

 最近の交通事故では「死人に口なし」で加害者の一方的な証言がまかり通っています。どうぞ被害者の声にも耳を傾け、出来れば事故現場をご覧になり、科学的捜査の裏付けを基に公平で厳正な処分をお願いします。

札幌市 S・M

 人の命は地球より重いのではありませんか?なぜ北海道は交通事故がいつもワーストワンなのですか? 警察はいつも起こる交通事故死をマニュアル通りに簡単に処理していませんか? 事故を起こした人や悪い事をした人は自分の事は出来るだけ言わず正当化しようとするのが心理だと思いませんか? その心理を鵜呑みにしていませんか? 加害者は事故死を起こしても簡単に社会に復帰し、なんだたいしたことなかったと想像できませんか? 警察は加害者が人間の心を持つまで深く深く反省する時間があったのですか? 警察は被害者やその家族をないがしろにしていませんか?私の素朴な疑問が払拭されない限りワーストワンは……

千葉市 S・M

 私の家族も横断歩道を歩行中に車にひかれ若くしてなくなりました。加害者は起訴されませんでした。悪質な交通事犯に対して、公正で厳重な処方が必要だと思います。

千葉市 S・A

 最近、歩行者や自転車を無視した運転手が増えています。交差点や駐車場の出入り口での横断歩道を無視した運転や、体の脇をスピードを落とさずにギリギリで走り抜ける車などは日常的です。子供を一人で遊びに行かせる事は今の世の中できません。今回の事件のような加害者はきちんと処罰されるべきと考えます。

千歳市 S・K

 連日、交通事故のニュースが流れない日はない程、報道されています。同じように子供を持つ親として他人事ではないと感じております。どうか望むべきは決して死人に口なしで一方的に加害者の供述を鵜呑みにせず、原因を解明して欲しいこと、そして親に対してなぜその様な事故が起きたのか事実を知らせてほしいと切に思います。人の命はかけがいの無いものです。加害者に対しては事故原因がはっきり解明されるまでハンドルを持たせないくらいの処分を望みます。

札幌市 D・Y

 本件は自転車の飛び出しによる事故とは考えられず、市道本線より減速せず又前方確認もせず突入した事による事故であり、被害者が13mも飛ばされた事で明確と判断される。事故の捜査にあたり被害者死亡の為、加害者の一方的な状況説明を基に判定されることなく徹底した調査を行って原因究明する事を望みます。加害者はいまだに被害者への謝罪もなく、人間性を欠き、被害者死亡により反論もなく自分の非を認めることなく自分の正当性を説明するものと思います。従って交通事故多発による早期解決に拘わることなく、徹底した事故原因の究明こそ、交通事故・交通犯罪の減少に繋がるものと考えます。

千歳市 N・H

 クルマ社会日本の悲劇的な事件です。いくら道路に信号機を増やしても、制限速度を定めスピード違反者を検挙しても、痛ましい交通事故が減らないのは何故か。運転者の自覚が足りなさすぎだと思います。“危険な乗り物”に乗っている運転者が一番注意を払ってくれないと…何かあってからでは遅いのです。なのに今回加害者はその自覚が全くないようです。死亡事故は紛れもなく殺人です。厳罰に処罰されるべきです。「死亡事故=極刑」どんなスピード制限よりも一番効果のある規則だと思います。

千葉市 N・K

 死人に口なし、人権なし、また遺族への説明なし、そして加害者の人権のみが優先されることの法的根拠はどこにあるのか弁明して欲しい。

岩見沢市 Y・Y

 私も33年前に実兄を交通事故で亡くしてます。当時兄は小学校6年生、私は2年生でした。小学校卒業の3日前でした。しかもひき逃げでした。本当に年々交通事故が増えているような気がします。事故というだけで殺人にならないみたいなところが日本にはまだあるような気がするのですが…交通事故での死亡も「殺人」であると私は思います。

鹿児島県 T・S

 交通犯罪は刑事事件の殺人罪と同じく厳しく処するべきだと思います。車を運転する者として常に交通事故の怖さを毎日ニュース等を見る度に感じます。じこの解明は公にするべきと思います。

札幌市 A・E

 車が人命を奪う凶器になりうる乗り物であることを改めて自覚しました。私自身、人身事故の加害者の側に立った経験があり、今思い出すと身の毛がよだつ思いで、二度と同じ経験はしたくありません。被害者側の近親者ともなれば無念の思いが尽きない事と思います。交通事故を減少させ交通安全の意識が希薄なドライバーの意識を改める為にも、道交法の厳罰化をお願いします。

千歳市 A・M

 私の長女も今から7年前登校途中、横断歩道上で事故にあいましたが、幸にも骨折と顔面裂傷のみで、命に別状はなく今日に至ってますが、やはり加害者以外に目撃者はなく、日を追うごとに加害者の態度が変わり悔しい思いをしました。適正かつ公正に物事が進む事を切に願います。

千葉県 A・K

 子を持つ親として、やりきれません。失った命は、二度とかえってはこないのです。罪を犯したものは何年か後には、人生をやり直しそ知らぬ顔で生活していきます。遺された家族の哀しみは永遠に消える事はないのですから、その大きな違いを考えてみてください。 「警察」というところに対して住民の不安は大きく信頼は失われる一方です。今一度この件をよく調べなおして下さい。加害者はもっとさばきを受けるべきです。

札幌市 A・S

 交通事故といえども、あくまで“殺人”です。加害者がそれをどこまで感じているのかも考慮して判定してもらいたいです。

千葉県 A・Y

 殺人にしても少年法とやらで罰が軽く何年か後には出てくるなど、同じことがこの交通法でも言えると思います。やはり人を1人殺しているのですからそれに対してのご家族の悲しみ、ましてや子供を失った親の悲しみをもっと考えて頂きたいと思います。「警察」とは本来なら住民から信頼や生活する上で安全や安心を確保する重要な職責もって居なくてはならない所なのに、その警察本来の姿を見失ってはいないでしょうか。私たち住人は何に頼り何を信じればよいのでしょうか?その点をもう一度初心に返り、考え直して頂きたいと思います。事故原因をもう一度調べ直し、加害者に対して「命」というものの尊さを認識させ、その上で適切な処分をお願い致します。

札幌市 U・T

 私も二人の子供を持つ親としてこの様な交通事故の恐ろしさを改めて痛感させられました。たまたま事故のあった橋を通ったとき道路に残っていたブレーキ痕があまりにも生々しく強く残っていて主人もあれはかなりのスピードがでていたなぁと一言、ぐっと来る言葉で、どんなにすごい事故であったのかがあらためて心に残りました。やはり交通事故は被害者に対しては、もっと重大にあつかっていただきたいと思います。一人の命が奪われた事、これが車ではなく別なもので人の命を奪ったのなら、もっと別の形で報道され加害者にも、もっと重い罪に問われているはず、なのに交通事故に関しては加害者がとても有利に思えてなりません。失った命はもう戻りません。だからこそもっと重大に厳しく取り扱って頂きたいと思います。

茨城県 U・K

 交通事故による死者は年間1万人前後にも及ぶといわれ、今回のような一方的なドライバーの無謀運転による悲劇に直面し、そして納得のいかない境遇の立場に置かされている遺族の方々は相当数いるはず。現実的に他の犯罪と較べ交通事故犯の処罰は軽く、交通事故の根絶は法の厳罰化が急務であると考えます。

千葉県 K・T

 交通事故での業務上過失致死は罰則としては甘い。過失致死ではなく、犯罪で言う殺人だ。

札幌市 K・I

 被害者がこの様な運動をしなければならないのが、とても残念です。

札幌市 K・Y

 毎日、車を運転している者です。通勤時など危険な場面を多々見ます。 弱者(人間)に対して車という凶器で尊い命を奪いながら、何ら運転者に対して厳罰がないというのは、今の車社会に対して疑念を持ちざるを得ません。

札幌市 K・N

 これから、まだまだ夢に向かってやりたい事がたくさんあったことでしょう。たった1つの大切な命を奪ったにもかかわらず、業務上過失致死傷罪で済むのはおかしいです。遺された御家族の悲しみは、計り知れないでしょう。亡くなった康伸君は証言する事すら出来ないのです。加害者の都合のいい供述だけを信じるのではなく厳正な処分をして下さい。

札幌市 K・M

 我が家には来年から小学校に入学する子供があり、間もなく子供だけで学校や公園に出かけていく事を心配していた所に、この事件の事を知り衝撃を受けました。とても他人事とは思えません。この様なことが許される世の中で安心して子供を送り出す事は出来ません。私も含め自動車を運転する者がもう一度その責任を自覚する為にも、この事件をこのままにしておいてはいけないと考えます。

札幌市 K・Y

 子供を持つ親としては、将来的にとても不安です。今回のように1日で釈放されて社会生活を平然とおくっている法律の抜け道があるのだと思います。法律の更なる強化をお願いします。

寿都町 K・K

 加害者の刑が窃盗や詐欺よりも軽いとは知らなかったのでショックです。私も車の運転をしますが、トラックの運転手はやさしい人もいますが怖いものなしに無謀運者者もとても多く、なるべく近づかないように、ゆずってもらうまで追い越しもしないようにしています。トラックはなによりも大きく危ない乗り物なのですから運転手の意識を変えない限り、今回のような事故は減らないと思います。もっときちんと事故原因を解明して、加害者には厳しく処分して欲しいです。

千歳市 K・S

 今回の事故で最愛の息子さんを失った御両親は深い悲しみの中にもかかわらず、死に至った経緯や、その後の対応について親として見守ろうと必死に調査されていることと思います。それは当事者にしかわからない大変な苦しみでしょう。このような事故をたびたび耳にしますが、現行の法律では、いつも遺族にとって物足りなさが取りざたされているように感じます。加害者の適切な運転がなされていれば起きなかった事故とわかっていて、何故厳罰に処されないのか。誰もが不思議に思うことではないでしょうか。これから一生辛い現実から逃れられない遺族側が、きちんと納得できるような法律の改正及び今回の事故に対する加害者の責任をもっと追求していただきたく思います。

札幌市 K・S

 この事件の少し前に私の知り合いの娘さん(小学6年生)も自転車に乗っていてトラックにひかれ亡くなるという正に今回の事件と同じ事件に遭遇しました。交通事犯への厳罰処分だけではなく、事故原因の究明と加害者の謝罪を要求いたします。こういった事件をなくすためには自動車免許の交付(特に大型免許)に関して警察ももっと厳しい対応をするべきであると思います。

札幌市 K・H

 今回の事故で加害者が「丁度よいタイミング」で目の前にいたので衝突したと述べていたそうだが、「丁度よいタイミング」とは何ごとだ、ふざけるのもいい加減にしろと言いたい。自分は悪くなくて車の前に居た方が悪いみたいな言い方だ。今回の事故時は横断歩道上で起きた事故だ、まして、午後2時55分と言ったら周りはまだ明るい時間帯だ。前方不注意も甚だしい、プロのドライバーとして自覚がない、こんなやつに運転免許を与えた事が間違いだ。

札幌市 K・M

 お子様を亡くされたばかりのご両親が傷心も癒えぬままに、目撃者探し・事故鑑定などを行わなければ事故の真実がわからないのは、本当におかしな事だと思います。交通事故が毎日起きている中、警察による公正な事故原因の究明を是非お願いしたいと思います。そしてできる事なら事故の原因とその結果、加害者に対する処分などを被害者及び家族に説明、報告をして頂きたいと思います。

千歳市 S・S

 警察の不祥事が続いている昨今、善良な一般市民の不信が深まる一方だ。またプロのドライバーに対する処置はこれでよいのか、法を守る番人がこのような状態で良いのか。人の命の尊さ、被害者の立場をもっと尊重すべきではなかろうか。

千歳市 K・K

 交通犯罪の刑の軽さについては、テレビ・新聞などの報道で疑問をもっていました。今回の事件に関してもどうしてこのようなことが通用するのか信じられません。と同時に深い悲しみを越え、憤りをおぼえます。

札幌市 T・M

 車を運転する以上、常にあらゆる状況を想定し、歩行者を守るのが運転者の義務であり、それを少しでも怠ったり、万が一人命を奪うような事故を起こした場合「危険運転致死傷罪」の適用がされるべきだと考えます。死に至らしめる事故は危険運転以外の何者でもない。そういう認識が今求められているのではないでしょうか。人命はそれほど尊いものだということです。

札幌市 I・K

 私も事故の現場を見ましたが、車を運転するものの一人として、色々な予測される事態を予見しながら運転をしえおりますが、今回の事故はあまりにも自動車側の一方的な判断により起こったものではないかと思われます。同じ事がおこらない為にも、歩行者側にたった検証をさらには、子供を守る為にも原因の究明を切に望みますし、運転者に罪の重みを自覚して欲しいと思います。

千歳市 S・K

 車社会になれきっている私達、毎日のように報道される悲惨な交通事故、改めてハンドルを握る者としての責任を感じています。交通事故における刑の軽さについては、昨年高速道路で酒酔い運転のトラックに追突され焼死した幼い子供達の事故で疑問に感じてました。このことがきっかけで刑法が改正されましたが、まだまだ被害者側の立場にたっているとは思えません。ましてや息子さんのように落ち度のない者が命を奪われ、家族の人生全てを狂わせているのに、加害者がのうのうと元の生活に戻っているなど許せません。改めて公正な事故原因究明と加害者の厳正な処罰を願っています。

札幌市 T・I

 私は加害者のドライバーが許せません。しかも加害者が働いている所の社長がもっと許せません。普通なら加害者本人は、罪悪感などでハンドルを握れないと思う。加害者は無神経すぎる。しかもそこの会社の上の人も無神経すぎだと思う。もし自分の子供が同じ目にあったらと考えなかったのか?被害者の両親の気持ちになって考えれないのか。そこまで無神経なのか。と、私は思いました。被害者のお母さんの話を聞き、私は自分が車に引かれた時のことを思い出しました。私も康伸君と同じく、自転車に乗っていました。そのときの加害者もこのドライバーと同じく、ひらきなおってました。“私は今までおこしたことがないのに”とか“こんなこと主人に知られたら、どうしましょう”とか“せっかく楽しく遊んできた帰りなのに”など、など反省している態度を見せるどころか、自分のことしか考えず、しまいには“いきなり飛び出してきた、あんたが悪い”みたいな言い方をされました。私は歩道でひかれたのに、なぜそんな言い方をされなきゃいけないのか、すごく腹が立ちました。そのときの警察の対応はというと弱者を守るのではなく、被害者をかばうような態度しかとりませんでした。私はそのとき高校に入学したばかりでしたが、色々と社会に不満をもちました。どうして加害者が悪のではなく被害者が悪いといわれなきゃいけないのでしょう。なぜ警察は被害者のある人の話をきかず、加害者だけの言う事を聞くのでしょう?今回の事件はなおさらそうです。被害者である康伸君は本当の事を言いたくても言えないのに、加害者のあいまいな証言だけで解決していいのでしょうか?警察の対応をみていると、弱者は外に出るな。と、言っているような気がしてたまりません。少なくとも人を殺しているような人が反省もせず、ハンドルをにぎっていて良いのでしょうか?私は絶対に許せません。ぜひ、被害者の両親の為にも、一緒に戦っていきたいと思います。

札幌市 T・S

 この運転者はまた必ず“殺人”を行う人だと思う。警察・検察は公平・公正に徹底的に事故原因を解明しこの殺人者を厳罰に処分して欲しい。こんな非道な人間が車を運転していると思うと、子供を安心して外に出せないじゃないか。

千歳市 T・M

 どうして1日で加害者は釈放されたのでしょうか?死亡事故なのになぜ何の処分もされず車を直し今まで通りの生活をしているのでしょうか?私も事故を起こした事がありますが、色々な意味で全部が終わるまで生きた心地はしませんでした。加害者は今どんな気持ちでいるのでしょう。文面を読み信じられない重いです。私も3人の男の子の母としていつ事故にあうかわかりません。こんな信じられない事故(加害者の対応・警察の処分)は、絶対にもう一度調べ直して頂きたく思います。亡くなったお子さんは何ももう言えないのですから、本当の事をご両親、そして私も知りたいと思います。よろしくお願い致します。

千葉市 M・Y

 音喜多君の交通事故死は加害者の故意による、いわば殺人と同格のものであり強い憤りを感じます。取締当局は客観的には本当はそのように判断すべき能力を有しているにもかかわらず、その真相解明の努力を放棄するにも強い怒りを覚えます。公正で清潔な警察行政への国民の厳しい視線が今ほど国民の間に強く生じている事を、当局は強く認識すべきです。

帯広市 Y・A

 私は康伸君が幼稚園時代の教諭です。一人の尊い大切な存在が失われたことがとても苦しくつらいです。何がどうだったのか、真実を私達に示して下さいますようお願い致します。また、民主主義のふところにいる我々にその平和と安全を保障してくださいますよう、お働き下さいますよう重ねてお願いします。どうぞ、私達の大切な音喜多康伸くんのこと覚えて下さい。

神奈川県 Y・M

 私自身も実際毎日運転しておりますが歩行者と自転車・オートバイには特に注意を払っています。何故なら人身事故は物損や車輌の事故に対して起こした後のダメージがきっと比べ物にならない程大きいからです。もし我が一人娘がそのような事故に巻き込まれて命を落としたとしたら、自分自身もうハンドルは握れないくらいの思いをするだろうと、ぞっとします。最近飲酒運転等に対する罰則が厳しくなっていて、確かにそれは良いことだとは思いますが、あまりに人の命を亡くした罰は甘すぎます。それを踏まえてもう一度よく検討して頂きたいと思います。よろしくお願い致します。

札幌市 W・K

 康伸君への焼香の拒否、事故の謝罪もなく当初認めていた聴取内容を途中から認めず私はこのドライバーを絶対許せない。車を便利な道具にするのも凶器にかえてしまうのもドライバーのモラルひとつ…皆さんご存知の事。 事故を起こした運転手の人間としての資質を考えるとこの程度の人間に継続して車を運転することを認める社会の構造にはまったくおかしい、事故を反省し、心から謝罪する加害者と同様の扱いを認めるわけにはいかない。こういう資質の人間は同じ誤りをまた繰り返す。だから悲惨な交通事故は一向に減らない、現状が立証しているではないか。法の裏をかいた弁明、弁護がまかり通る裁きではなく公正な裁きを期待する。人間としてモラルに欠けたドライバーを放置する限り交通事故は絶対になくならない。

子どもさんからのご意見

小学生 札幌市 M・D

 大人のかたへ、ぼくたちがあんしんして、あるける社会にしてください。僕たちも、きをつけて、じてん車にのります。

中学2年 札幌市 N・A

 みんなが楽しみにしていた夏休みの初めの日に起こった交通事故のことを聞いて、とてもおどろきました。しかも加害者はたった1日で釈放されたというのは、おかしいと思います。交通事故とはいえこれはりっぱな殺人だと思います。それなのに、なぜ1日で釈放されたのかがわからないです。これでは、加害者のやりたい放題だと思います。もっと、もっと、ちゃんとした処罰をしないと、音喜多君のような、何も関係ない、被害者が増えるだけだと思います。

中学2年 札幌市 N・K

 今回のことは本当にショックでした。なぜ、加害者は死刑にならないのだろうか?ぼくや学校のクラスメートは思いました。今のじだいは、本当にあまいとぼくは、考えてます。だっておかしいでしょう!人一人ころしてなぜ、あいては同じように罰をあたえられないのでしょうか。たしかに本文にかいてあるとうり康伸はもどってこないし、どうこうなるわけもないし、しかし、すこしでもいいから、あいての罰をつよめることをねがっています。

中学2年 札幌市 N・S

 犯人の態度が頭にきます。こういう人は交通刑務所に入るものだと思っていましたので、すぐ普通の生活をしていると知ってびっくりしました。こういう人は、また交通事故を平気でおこしそうなので怖いです。

中学2年 石狩市 M・Y

 加害者の人の言う事ばっかり聞いただけだったら、本当のことは言わないと思うし、自分のゆうりになるように言うと思うから、きちんと調べた方がいい。人が死んだのに加害者は1日ででてきたのが普通の人から思えばきにくわないと思う。

高校1年 札幌市 M・A

 殺人罪と同じあつかいに、するべきだ。

中学2年 札幌市 M・W

 殺人者には、もっと罪を重くしてほしい。

小学生 札幌市 Y・H

 もう車にのらないでほしい
 ちゃんとあやまってほしい

小学生 手稲区 W・H

 なさけない、はん人

中学2年 札幌市 K・N

 音喜多君のためにもうごいてください。おねがいします。

小学4年 札幌市 K・R

 ぼくはいつもお兄ちゃんとケンカしているけどお兄ちゃんがトラックにひかれたら犯人ゆるさない。車を運転する人はもっと気をつけてほしい

中学2年 札幌市 K・Y

 このような悪質な事件は許せないと思います。このような事が許されて何が許されない事なのでしょうか。こんな事ではこの札幌に住むことじたいに疑問がわいてきます。こんなんで交通事故はへるでしょうか。減るわけないでしょう。何とかしてもらわないと僕らも自分の身に何が起きるかわかりません。

中学2年 札幌市 S・M

 こういう事件があたにも、かかわらず、反省もせず、今はふつうに運転しているから、ゆるせない。絶対に反省してほしい。あと、自分や友達などがこういうじ件にあったらとか、考えてほしい。絶対にゆるせない!!あと、加害者がおそう式に行ったなら、一言「すいません」だけでも、いってもらいたかったです。

高校1年 札幌市 S・T

 交通事故で人を殺してしまっているのに、窃盗などよりも刑罰が軽いのはおかしいと思う。

中学2年 札幌市 I・M

 交通事故は事故なのでしかたがないと思います。けれどしかたがないからと言って、悪くないわけではありません。どんな状況かは関係なく、人を殺したことはかわりありません。償うことは無理ですが、せめて反省するべきだと私は思います。そして反省の形は一生罪をわすれずにいきていくことだと思います。

中学2年 札幌市 O・S

 悪い事をしたらばつをうけるべきだと思う。

小学生 札幌市 O・S

 おうだん歩どうでわたっていたのに、かわいそうだと思います。学校では、おうだん歩どうをわたりましょうといっているのに、どうしてですか?ちゃんと、しらべてください。

中学2年 札幌市 O・K

 同じ中学で学んだ仲間として、今回のことをとても悲しく思っています。これから同じような事故がないよう、誰も悲しい思いをしないように、きちんと事実を明確に説明して欲しいです。

中学2年 札幌市 O・Y

 音喜多は、横断歩道をわたっていたにもかかわらず、トラック運てん手の不注意で、亡くなりました。私は運転手が悪いと思います。ちゃんと前を見ていなかったから。ちゃんと見ていれば音喜多はこんなことになりませんでした。人をひいてはいけないことは幼稚園児だって知っています。それなのに悪いとも思っていないのは、最低です。私達クラスの人達は、とてもかなしみました。たった一人の不注意で、どれだけの犠牲と、どれだけの人がかなしむかをわかってもらいたいです。ちゃんとした処分を下してください。

中学2年 札幌市 O・Y

 同じ中学校で一緒に学校生活を送っていた音喜多君の死はとても悲しいです。まだ中学生だった音喜多君と、そのご家族納得のいくような、公正な判断をお願い致します。

8回目の検事面会(2月14日)の報告

亡き康伸の名誉と尊厳のため、
悲惨な交通事故をなくすため、たたかい続けます。
今後もご支援をお願いします

平成15年2月16日 音喜多 一 ・ 真理子

 2月14日に8回目の検事面会での報告させていただきます。
 要望書は今回416通、総数6,853通を提出。
 前回の陳述書に引き続き、さらに詳細に衝突に至るまでの加害車輌と被害自転車の秒単位における時系列の挙動を衝突点からさかのぼって試算した資料(試算表及びそれらと一体の図面と写真)から「人の通行を妨害する目的で」の故意性と、道路交通法、刑法の条文と加害者の立場、行動を照らし合わせたものと、懸案だった鑑定書も一緒に提出させていただき、担当検事も「私も助かります」と言っていました。
 また、最近、現場を自ら視察されたそうで、「確かに見通しの良い現場ですね」とも言われていました。
 前回よりさらに、積極的な感触得られましが、まだまだです。
 提出書類の総ページは21ページになります。(その他鑑定書と写真)

7回目の検事面会(1月21日)の報告

亡き康伸の名誉と尊厳のため、
悲惨な交通事故をなくすため、たたかい続けます。
今後もご支援をお願いします

平成15年1月23日 音喜多 一 ・ 真理子

 当初危険運転致死罪での起訴には難色を示していた担当検事でしたが、私たちの一貫した訴えに今回は少し気持ちが通じたのか積極的な感触が得られました。

 事件当日の加害者側車輌と康伸の自転車の証拠写真(30点以上)、ヘルメット・着衣・装備品などを提出(自転車本体は翌日)。これらの証拠痕跡から考察される衝突状態、すなわち康伸が危険を感じ横断歩道上で急ブレーキをかけ停止していたところに加害車輌が自転車横から高速度で突っ込んできたことを陳述書と口頭で述べさせていただき、全て証拠として採用され受理されました。
(これらの証拠品は、当初警察が保管していますが、ほとんどの被害者には、「つらいでしょうからこちら〈警察〉で処分しますか?」などといわれ、「証拠になるから大切に保存しなさい」などとは言われないものです。)

 昨年依頼していた科学捜査研究所の衝突直前の速度調査では、当初警察が言っていた加害者の供述を元にした衝突速度は40kmとなっていましたが、康伸の体重・自転車その他の衝突時の重量を加味しただけの暫定的な鑑定でも45km~50km未満との結果が出ているとのことを担当検事から聞きました。また加害者が康伸を横断歩道手前で視認したといわれる地点についても、当初3m手前と認定されていたものが、空走距離から鑑みておかしいという検察の指示で、警察に現場での実況見分のやり直しをさせ、変わっているとの事も聞いています。

 このように警察のずさんな捜査には、悲しいかな被害者側が声を出し続けていかないかぎり変わりませんし、被害者側から疑問を提起しなければ、このずさんな捜査がそのまま採用され、起訴権限のある検察庁と罪状が決定される裁判所での最も大きな証拠の公文書として採用されることになります。こうした初動捜査の問題が、理不尽な不起訴や罰金刑、または執行猶予付き判決となり、実刑にはほど遠い理不尽な結果となることを示しています。
 少し前までは警察の実況見分調書を変えることは難しいといわれていた事が、変わりつつあるのかとも感じます。
 しかし、翌日検察庁からの指示で自転車本体を所轄の警察署に届けたところ、警察では、相変わらずタイヤ跡もついていない自転車前輪の損傷部分について「これはタイヤで踏まれた」などと、訳のわからない事を言っており、これでは元の木阿弥と思い、担当検事に「ずさんな捜査が露呈している同じ担当になぜ捜査させるのか。科学捜査研究所での調査を願う」と述べさせて頂き、「解りました」と返答をもらいましたが、今後どうなるのか。再捜査されたことについては画期的なこととはいえ、まだまだの先の見えない状態です。

 今後の課題として、加害者の嘘の供述部分を覆す証拠についてもさらに究明しなければなりません。目撃者もない現状では、加害者の証言と状況証拠だけが判断材料にされるからです。被害者の代弁者である担当検事と検察庁が心を込めてくれなければ、何も進まない今の司法システムの中、同じ経験をした被害者の方をはじめ、危機感を感じている心有る皆様のアドバイスと協力をいただき、一つ一つ出来る事をやりながら康伸のために頑張っています。要望書への協力などいっそうのご支援をお願いします。

10月3日、札幌地検に3,034通の要望書とともに告訴状を提出

亡き康伸の名誉と尊厳のため、悲惨な交通事故をなくすため、
たたかい続けます。今後もご支援をお願いします

平成14年10日4日 音喜多 一 ・ 真理子

 10月3日(木)午後4時より私共の代理人である田中弁護士同行で検察庁へ。交通事犯としては異例の、殺人罪での告訴状と代理人上申書・陳述書・証拠書類等と3,034通(内:記述意見有り1,399通)の要望書を提出。次いで、2時間半ほど被害者の遺族としての意見を述べさせて頂きました。最後に公判を開いて公の場でこの事犯について納得できる厳正な処罰をしていただけるようにとのお願いと、死亡交通事犯に対しての起訴は10%以下さらに公判までとなると1%以下になっている実情も聞いて居りますが、この事件を簡単に終わらせて欲しくない旨を伝え、検察のほうでも、そのようにしたいと思っていますとのお答えいただきました。
 私共としては、思っていたより検察の対応は概ね良好の感触でしたが、これからの段階としては

  1. 不起訴
  2. 起訴:略式裁判による罰金刑
  3. 起訴:異例の殺人罪での公判又はその他の刑罰での公判

等が、考えられますが、1.と2.については現実に人が死亡させられた事犯に対しても事例が多いのですが、とても承服できないことで、そうなれば不服申し立て(再起訴になるのは千に三つと言われています)をするつもりでいます。
 3.の公判になって初めて、やっとスタートラインに立てたと言う事になりますが、現在のところどうなるのか我々被害者の代弁者たる検察官が決定される事なのでまだまだ予断は許されない状況です。新しい事実が出てくる都度、検察への面談を求める所存ですが、やはり今をもってしても重要なのは、事故瞬間の目撃者と皆さま方の要望書になります。

 亡き康伸の名誉と尊厳の為、そして微力ながらも私どもの声が少しでも、悲惨な交通事故をなくす手助けになればとの思いでこれからもたたかい続けていくつもりです。どうか、今後も皆様方の力強いご指導とご支援のほどよろしくお願いいたします。

 後になりましたが、事故から71日目の検察庁での面談まで、被害者の立場からの、貴重な血のにじむ体験からのアドバイスとご協力を頂いた前田氏、斉藤氏、土場氏、要望書を取りまとめて下さいました協力者の方、そして賛同し意見を下さいました方々、ならびに田中弁護士、大倉記者をはじめ北海道新聞の方、その他多くの方々のお力添えでここまで来れました事に対し深く敬意を表し感謝致します。

注:なお、この後札幌地検とのやりとりがあり、結局危険運転致死罪での告訴となりました。「北海道新聞」10/28参照

交通犯罪撲滅の為、悪質な交通事犯に対しての「危険運転致死傷罪」での厳罰を求める要望書

1.事故について

在りし日の康伸

 夏休み初日の平成14年7月25日午後2時55分頃、札幌市白石区中央3条3丁目6番の市道米里行啓通り丘橋横の側道の横断歩道上で、私共の長男 音喜多康伸(札幌市立米里中学校2年生 13歳)は、自転車で横断していたところ、市道本線から側道に減速せず進入してきた前方不注視の車載搬送用トラック(2t車)の右前面角に衝突され、13m以上跳ね飛ばされ路面にたたきつけられました。康伸は、右足の骨折、肺及び肝臓の破裂、心臓の損傷により、懸命の手術の甲斐もなくわずか1時間半後の午後4時16分に短い生涯を終わらされました。

《現場の写真》暴走トラックは、写真右手前の2車線の本通りから、左に進路を変え、「テルモ」の看板の方向の副道に入った。康伸君は、自転車で写真右上の歩道を下り、直角に曲がって横断歩道(左に標識あり)を渡ろうとして、暴走トラックに轢かれ13mもはねとばされた。3人の警察官のいるところが康伸君が倒れていたところ。タイヤ痕もくっきり残っている。

《現場の写真》トラックの衝突箇所

 

2.事故後の状況

 検察庁への送致は9月20日ですが、傷心の最中に受けた警察での事故原因説明は、加害者の証言によるものが中心の単純な業務上過失致死罪の認定で、加害者はわずか1日で釈放され、事件から1週間も経たぬ7月末から職場に復帰し、事故車をすぐに修理した上、事故前と同様に運転し生活していました。
 事故直後に訪れた加害者は、康伸への焼香を拒否しただけでなく正式な謝罪もしません。加えて、康伸がはるか前方から横断歩道に向かって来るのを視認したが「“丁度よい”タイミングで目の前に居たので衝突した」と述べていましたが、現在は康伸を視認したことさえ認めていません。起訴後にならないと見ることも出来ない警察の実況見分調書にもこの事は記載されていないようです。
 康伸はサイクルショップ主催のチームに所属しており、常々、公道では友人に指導するほど慎重で安全な走行を遵守していました。康伸が事件を回避出来なかったのは、康伸をはるか前方で視認しているにもかかわらず、横断歩道方向も確認せず左折信号を点滅させたまま減速もせずに強引に側道に進入してきた加害者の故意とも言える無謀運転が原因だと誰もが考えています。
 しかし、目撃者も少ない状況で、物言えぬ康伸にかわって加害者が証言することだけに依拠して捜査が進められようとしています。

3.要望書のご協力を

 私達は、公正な捜査がなされるよう自ら目撃者を捜したり、事故鑑定を行ったりして事故の真相究明に被害者の立場で行動を始めていますが、加害者の刑事処分は警察、検察に主導権があり、被害者は唯の証拠物として“蚊帳の外”に置かれる状況が厳然として存在します。
 また、死亡交通事故の多くは業務上過失致死傷罪で裁かれますが、窃盗や詐欺などより軽い刑罰で、起訴率もわずか10%以下となっています。本件の加害者のようにどんな悪質な交通事犯でも、交通事故の名のもとでは実刑にもならない例が多いという実態があります。
 加害者がどんな刑罰になろうが、康伸は決して戻って来ることはありませんし、私達の心が癒される訳ではありませんが、事故原因の公正で徹底した解明が為された上での処罰がなければ、悪質な交通犯罪は無くならないと考えております。
 加害者が自ら私共に述べている「丁度よいタイミングで目の前にいたので衝突した」という言葉は、横断歩道上の交通弱者である人間に対する注意義務を怠り前を見ないで運転していた事は明らかであり、これは加害者自らが認めている意味の言葉であります。たまたま運が悪く人を死亡させてしまったが車による交通事故は、現状では軽い刑で済まされ大した事はなく、すぐに法のお墨付きをもらい大手を振って歩いていけるんだといった考えがこの言葉に含まれていると考えられます。このようなことは許されるものではありません。

 つきましては、皆様のお力を借りて刑法208条の2の「通行妨害目的」での著しい「接近」について危険運転致死罪での厳正な処分を求める要望書を作成して、公正かつ厳正な処罰が行われるように、被害者の代弁者たる検察庁に求めて行きたいと考えております。
 亡くなった康伸に代わり悪質な交通犯罪を糾弾して、学校や地域社会における安全を図りたいという私達の発意に、一人でも多くの方に御理解、御協力を賜りますよう切にお願い申し上げます。つきましては、皆様のお力を借りて厳正な処分を求める要望書を作成して、公正かつ厳正な処罰が行われるように、被害者の代弁者たる検察庁に求めて行きたいと考えております。亡くなった康伸に代わり悪質な交通犯罪を糾弾して、学校や地域社会における安全を図りたいという私達の発意に、一人でも多くの方に御理解、御協力を賜りますよう切にお願い申し上げます。

4.要望書の記載、提出

 要望書は上記の主旨のもとに共通して上申したい総意の部分と、皆様方の私見を記載する追記の部分とで構成し、住所・氏名の記載、捺印をお願いする形式としています。(「危険運転致死罪での厳罰を求める要望書」) 今回の事件に対する率直なお考えを追記の欄に記載(1行でも構いませんし、別紙に書いて頂いても構いません)して頂き、札幌地方検察庁への提出を行う予定です。これらの主旨に御賛同頂けるようでしたら、ぜご協力をお願い申し上げます。
音喜多 一/音喜多 真理子

危険運転致死罪での厳罰を求める要望書

札幌地方検察庁
山中 副検事 殿

 夏休み初日の平成14年7月25日、札幌市白石区中央3条3丁目6番の横断歩道上で、札幌市立米里中学校2年生 音喜多康伸君(13歳)を死亡させた交通事故は、直接の被害者やその家族だけでなく、地域住人、子供を持つ親、教育関係者など多くの人たちにも衝撃となった事件でした。
 それは、交通弱者である歩行者や自転車に乗る者がどんなに交通安全に気をつけていたとしても、本件の加害者のような無謀運転者がいる限り、我が身を守れないということを示し、地域社会の安全を大きく脅かす事件だったからです。
 また、車が凶器と化した交通殺人事件であるにもかかわらず、その多くは窃盗や詐欺よりも軽い罪で裁かれていることが、交通弱者を軽視する悪質な自動車運転者の横暴を助長させているという現実があります。本件の加害者も事件に対する反省が希薄で、正にこの状況を象徴する自動車運転者であります。
 悪質な交通事犯に対しては厳罰をもって処分が為されなければ、悲惨な交通死亡事故の抑止はかないません。改正された刑法の「危険運転致死傷罪」や道路交通法の厳罰化も交通犯罪絶滅を願う社会的要請を受けてのものであります。
 以上の状況をふまえ、未来を担う子供達や地域社会の安全の為に次のとおり要望します。

  1. なぜこのような事故が発生したのか、その事故原因を加害者の供述に偏することなく、厳正にかつ徹底的、科学的に解明してください。
  2. 事故原因など全貌が、裁判で具体的に公になるようにしてください。
  3. そのうえで、危険運転致死罪での処分を求めてください。

 さらに私は、今回の事件について、以下の意見をもっています。(以下記入欄/略)

追記:6,437名の要望書が届きました。ありがとうございました(03/01/23)

康伸君事件の報道記事(02/7/26~02/10/29)

2002/07/26「北海道新聞」
トラックにはねられ中学2年生死亡

 二十五日午後二時五十五分ごろ、札幌市白石区中央三ノ三の市道で、横断歩道を自転車で渡っていた同区菊水元町五ノ三、米里中二年音喜多(おときた)康伸君(13)がトラックにはねられ、全身を強く打ち間もなく死亡した。札幌白石署は、業務上過失致傷の現行犯で、トラックを運転していた江別市○○、会社員○○容疑者(46)を逮捕した。同署によると、現場は信号機のない交差点で、同容疑者が音喜多君に気付くのが遅れたとみて調べている。

2002/09/25「北海道新聞」朝刊地方
悲劇防げ!厳罰訴え
脇見運転が康伸君の命奪った 「なぜ過失で済む」
危険運転致死傷罪 適用拡大求め運動 地検に要望 2700通超す

 「命の重さに見合う刑罰を-」。今年七月、札幌市内で脇見運転のトラックに中学生の長男の命を奪われた両親と北海道交通事故被害者の会(本部・札幌、前田敏章代表)が、運転手に厳罰化を求めて運動している。昨年十二月施行の改正刑法に新設された危険運転致死傷罪を、交差点での脇見運転など悪質な運転にも適用するよう求める内容だ。この刑法改正後、道内で起きた事故で運転手の厳罰化を求める運動が展開されるのは初めて。(札幌圏部 大倉玄嗣)
 夏休み初日の七月二十五日、札幌は久々に青空が広がった。午後二時五十五分ごろ、白石区の米里中二年、音喜多(おときた)康伸君=当時(13)=は自転車用ヘルメットと蛍光色のジャージーに身を包み、マウンテンバイクで市道米里行啓通のJR函館線こ線橋を南に下り、同区中央三ノ三の側道の横断歩道に入った。そこへ市道本線から進入してきた二トントラックが激突。身長一七二センチ、体重七二キロの康伸君は十三メートルもはねとばされ、全身を強く打ち、間もなく死亡した。札幌白石署の調べでは、運転手は進行方向左側の道路に気を取られ、前を見ずに横断歩道にトラックを走らせたという。

■夢はエンジニア

 康伸君の名を記憶している人がいるかもしれない。千歳市信濃小二年の時、鹿児島県南種子町の第一期宇宙留学生に選ばれた。
 一九九六年五月十三日の北海道新聞朝刊「ひと96」に登場、「宇宙センターのスタッフになりたい」と夢を語った。小学高学年になって夢はエンジニアに変わり、札幌に引っ越して米里中入学後は自転車にも熱中した。すべての夢は脇見運転が一瞬にして奪った。同署は今月二十日までに、この運転手を業務上過失致死の疑いで書類送検したが、康伸君の父、音喜多一さん(48)=レストラン経営=は憤る。「交通ルールを守った息子が死に、運転手はけが一つ負っていない。これは車という凶器を使った犯罪だ。なぜ単なる『過失』で済まされるのか」

■賛同者道外にも

 音喜多さんの手元には札幌地検に提出する要望書の束。「悪質な交通事犯に厳罰処分がなければ、悲惨な交通事故は抑止できない」として、康伸君をはねた加害者に危険運転致死傷罪の適用を求める内容だ。すでに二千七百通を超えた。要望書は音喜多さん夫婦が知人を通じて募った。「被害者の会」もインターネットのホームページに事故の概要と要望書のフォーマットを掲載。道外からも要望書が集まった。
 業務上過失致死罪は懲役五年以下。実刑にならないケースも多い。一方、危険運転致死傷罪で被害者を死亡させた場合は懲役一年以上十五年以下。だが、適用されるのは飲酒運転、暴走、信号無視などに限られる。康伸君のケースで加害者が危険運転致死傷罪で裁かれるには、適用範囲の拡大が必要だ。
 昨年の刑法改正は、飲酒運転のトラックに娘二人を奪われた千葉県の会社員が悪質運転厳罰化を訴えて運動した結果だった。「被害者の会」の前田代表は「危険運転致死傷罪を康伸君のようなケースに適用しなければ、厳罰化の意義は薄らぐ」と訴える。

■目撃情報求める

 今月二十一日、音喜多さんの依頼で、道自動車短大の茄子川捷久教授のチームによる事故鑑定が現場で行われた。トラックの速度などを調べたもので、十月半ばに鑑定結果が出る。音喜多さんは、事故の目撃者も探している。事故当時、現場近くの北海道中央バス停留所「中央3条4」にはバス待ち客が数人いたという。目撃した人は洋食店ヴィサージュの音喜多さん(電)871・5520へ。秋の交通安全運動が二十一日から三十日まで展開されている。道内の今年の交通事故死者は二十三日までで三百二十人。全国最悪が続いている。

【写真説明】事故現場で行われた事故鑑定。
康伸君と仲の良かった同級生の中西健太君が康伸君役を演じた=9月21日午前9時30分
【写真説明】音喜多康伸君が命を奪われた現場=7月25日午後3時10分ごろ、白石区中央3の3

2002/10/29「北海道新聞」朝刊
危険運転致死容疑で運転手告訴 交通事故死少年の両親-札幌

 札幌市白石区の市道の横断歩道で今年七月、トラックにはねられて死亡した中学生の両親が二十八日、危険運転致死容疑で、トラックの運転手(46)を札幌地検に告訴した。北海道交通事故被害者の会(事務局・札幌)によると、交通事故被害者の家族が、加害者を同容疑で告訴するのは道内で初めてという。
 危険運転致死傷罪は昨年十一月の刑法改正で新設された。業務上過失致死傷罪が五年以下の懲役・禁固か五十万円以下の罰金なのに対し、危険運転致死傷罪は、死亡事故の場合は十五年―一年の懲役、負傷事故は十年以下の懲役。飲酒、暴走など悪質運転で事故を起こした場合に適用される。
 告訴したのは、同市白石区在住のレストラン経営音喜多(おときた)一さん(48)と妻の真理子さん(45)。七月二十五日午後二時五十五分ごろ、長男で中学二年生の康伸君=当時(13)=が白石区中央三ノ三のこ線橋脇の横断歩道を自転車で横断中、二トントラックにはねられ、全身を強く打ち間もなく死亡した。告訴状は、トラックの運転手は、康伸君の姿を視認しながら、通行を妨害する目的で、左折ウインカーを点滅させたまま時速五○キロで横断歩道に進入し、康伸君を死亡させたとしている。
 音喜多さんは事故後、運転手の厳罰を求める運動を展開してきたが、札幌白石署は九月、業務上過失致死の疑いで運転手を送検したため、告訴に踏み切った。
 音喜多さんの代理人、田中貴文弁護士は「死亡事故の発生状況を加害者の供述に頼る捜査手法が、多くの被害者遺族を苦しめている。客観的な科学捜査で真相を究明するため告訴した」と説明。同被害者の会の前田敏章代表は「告訴は、危険運転致死傷罪の本来の意義を問い直す第一歩となる」としている。

2003/02/08「北海道新聞」朝刊全道
無謀ドライバーに危険運転致死罪を 被害者の親が署名活動

 札幌市西区と白石区で昨年七月、横断歩道上で無謀運転のトラックに子どもを奪われた二組の両親らが七日、それぞれの加害者に危険運転致死罪の適用を求める共同署名活動を始めた。十一日には同市中央区大通西四で子どもの同級生と一緒に街頭署名も展開する。署名活動を始めたのは西区発寒の国道交差点の横断歩道上でトラックにひかれて死亡した小学六年真下(まっか)綾香さん=当時(11)=の両親と、白石区中央のこ線橋横の横断歩道でトラックにはねられ死亡した中学二年音喜多康伸君=当時(13)=の両親が、「北海道交通事故被害者の会」代表の前田敏章さんらとつくった「交通犯罪から子どもを守る会」。三月末までに数万通を目標に全国から署名を募り、札幌地検に提出する予定だ。
 いずれのケースも加害者は業務上過失致死容疑で送検されているが、音喜多さん夫婦は昨年十月、真下さん夫婦は同十二月にそれぞれ加害者を危険運転致死容疑で札幌地検に告訴した。七日、道庁で記者会見した前田さんらは「二つの事件に適用されないのであれば、危険運転致死罪の意義そのものが失われる」と訴えた。同会の連絡先は前田さん(電)090・6871・6757。
【写真説明】会見した右から前田敏章さん、音喜多真理子さん、真下登志子さん

2003/02/12「北海道新聞」朝刊
交通死2人の同級生ら*「厳罰適用を」署名呼びかけ[札幌]

 昨年七月、札幌市西区と白石区の横断歩道上でそれぞれトラックにひかれて亡くなった音喜多康伸君=当時(13)=と真下綾香さん=同(11)=の遺族らでつくる「交通犯罪から子どもを守る会」は十一日、同市中央区の大通西四付近で、加害者のドライバーに「危険運転致死罪」適用を札幌地検に求める署名活動を行った。二人の同級生五十人も集まり、雪まつり見物に訪れた観光客らにも呼びかけた。同会は「二人に落ち度はなく加害者に業務上過失致死罪でなく、より重い危険運転致死罪を適用すべきだ」としている。両遺族はドライバーを同罪で札幌地検に告訴済み。同会は集めた署名を二月末と三月末の二回に分けて同地検に提出する。
 同級生たちは「亡くなった友達のために署名を」と街頭で声を張り上げた。音喜多君の母親真理子さん(45)は「同級生たちの気持ちがうれしい」。真下さんの母親登志子さん(39)は「犠牲になる子どもたちがこれ以上出ないために無謀なドライバーには厳罰を求めたい」と話していた。署名協力の連絡は前田さん(電)090・6871・6757へ。
【写真説明】署名集めをする同級生たち

2003/03/25「毎日新聞」札幌地方版
「運転悪質過ぎる」危険運転致死罪適用を 交通事故で子供亡くした両親ら札幌地検に6640人署名

 交通事故で子供を亡くした両親らが24日、子供をはねた運転手への危険運転致死罪適用を求める署名を札幌地検に提出した。
 提出したのは、札幌市西区の真下清一さん(41)同市白石区の音喜多真理子さん(45)らで作る「交通犯罪から子どもを守る会」のメンバー。真下さんの長女綾香さん(当時11歳、市立発寒小6年)は昨年7月に西区の国道交差点で、音喜多さんの長男康伸君(当時13歳、市立米里中2年)も同月、白石区内の市道でトラックにはねられ死亡した。運転手はともに業務上過失致死容疑で書類送検されたが、処分は未定。2人の両親らは運転が悪質すぎるとし、罰則が「5年以下の懲役、禁固、50万円以下の罰金」にとどまる業務上過失致死罪でなく、「1年以上15年以下の懲役刑」となる危険運転致死罪の適用を求めている。今回、全国から集まった6640人分を提出した。問い合わせは守る会の前田敏章さん(090・6871・6757)。【立松敏幸】

2003/04/01「北海道新聞」朝刊全道
札幌の中2死亡事故 運転手を業過で起訴 地検「故意責任問えず」

 札幌市白石区で昨年七月、同区内の中学二年生音喜多康伸君=当時(13)=がトラックにはねられ死亡した事故で、札幌地検は三十一日、業務上過失致死の罪で、トラックを運転していた男(47)=江別市=を札幌地裁に起訴した。遺族は危険運転致死容疑で男を告訴し、より重い刑罰の適用を求めていたが、同地検は「故意責任を問えない」と判断した。
 起訴状によると、男は昨年七月二十五日午後三時ごろ、同区中央三ノ三の市道で、自転車で横断歩道を渡っていた音喜多君をトラックではね、失血死させた。男は時速約五十キロで運転し、約十メートル手前で音喜多君に気付いて急ブレーキをかけたが間に合わなかった。業務上過失致死罪での起訴について、音喜多君の父・一さん(49)は「厳罰を求める六千人分以上の署名が集まったのに残念。遺族より加害者を向いた処分だ」と話した。

2003/05/02「北海道新聞」朝刊全道
「危険運転致死罪に」計1万人の署名提出 遺族の両親ら

 札幌市内で昨年七月、相次ぎ横断歩道上でトラックに子供の命を奪われた二組の両親らが一日、加害者に危険運転致死罪適用を求める署名四千百九十二人分を札幌地検に提出した。三月二十四日に続き二回目で、二月の活動開始から計一万八百三十二人分に上った。
 提出したのは、西区でひかれ、死亡した真下綾香さん=当時(11)=の両親と、白石区ではねられ、死亡した音喜多康伸君=同(13)=の両親らでつくる「交通犯罪から子どもを守る会」。同会は「全国から一万人を超す署名が集まり、交通犯罪に対する意識の高まりを感じた」としている。いずれの事故も加害者は業務上過失致死容疑で送検され、音喜多君のケースは同容疑で起訴された。同会は今後も署名活動を続ける。同会の連絡先は前田さん(電)090・6871・6757。

2003/05/26「北海道新聞」夕刊全道
中2死亡事故 トラック運転手に禁固1年6カ月求刑 札幌地裁で公判

 札幌市白石区で昨年七月、同区内の中学二年生音喜多康伸君=当時(13)=がトラックにはねられ死亡した事故で、業務上過失致死の罪に問われたトラックを運転していた男(47)=江別市=の公判が二十六日、札幌地裁(森島聡裁判官)であり、康伸君の両親が遺族の悲しみを切々と訴え厳罰を求めた。続く論告求刑で検察側は禁固一年六カ月を求刑し、結審した。判決は六月九日に言い渡される。
 両親らは、より重い刑罰を求め、道内で初めて危険運転致死容疑で男を告訴したほか、同罪適用を求め一万人を超す署名を集めるなどしてきた。
 意見陳述で、母の真理子さん(45)は「被告には反省が全くない。人の命の重さと遺族の死ぬまで続く悲しみを心から受け止められるよう厳罰に処してほしい」と述べた。父の一さん(49)は「業務上過失致死罪の刑罰があまりに軽いから、車を凶器とする事件が後を絶たない。交通事件の抑止力、被告の反省を促す意味からも長期の実刑判決を」などと訴えた。

2003/06/09「北海道新聞」夕刊全道
運転手に実刑判決  札幌・中2死亡事故

 札幌市白石区で昨年七月、同区内の中学二年生音喜多康伸君=当時(13)=がトラックにはねられ死亡した事故で、業務上過失致死罪に問われたトラックを運転していた男(47)=江別市=の判決公判が九日、札幌地裁であり、森島聡裁判官は「誠意ある謝罪も認められず、音喜多君と遺族の無念は察するに余りある」として求刑通り禁固一年六カ月を言い渡した。
 判決によると、男は昨年七月二十五日午後三時ごろ、同区中央三ノ三の市道で、自転車で横断歩道を渡っていた音喜多君をトラックではね、失血死させた。男は時速約五十キロで運転し、約十メートル手前で音喜多君に気付き急ブレーキをかけたが間に合わなかった。法廷で判決を聞いた、父親の一さん(49)は「求刑通りの判決には満足しているが、人間の命の重さと比較すれば、求刑が短かすぎる」と話した。
 両親らはより重い刑罰を求め、道内で初めて危険運転致死容疑で男を告訴したほか、同罪適用を求め一万人を超す署名を集めるなどしてきた。

2003/11/4「毎日新聞」北海道版夕刊
中2死亡事故で被告側控訴棄却

 札幌市白石区で昨年7月、自転車の中学2年生をトラックではねて死亡させた業務上過失致死罪に問われた、江別市○○、無職、○○被告(47)の控訴審で、札幌高裁は4日、禁固1年6月とした1審・札幌地裁の実刑判決を支持し、被告側の控訴を棄却した。長島孝太郎裁判長は「安全確認を怠った過失は重大」と述べた。○○被告は量刑不当で控訴していた。
 この事故を巡っては、死亡した音喜多康伸君(当時13歳)の両親が危険運転致死罪の適用を求め署名運動を展開したが、同罪では起訴されなかった。判決後、康伸君の父一さん(50)は「交通事故は(起きても)仕方がないという考えがなくなるよう、今後も事故の悲惨さを伝えていきたい」と話した。【立松敏幸】

-相互支援の記録(2000〜2013)
-, , , , , , ,

© 2024 交通死「遺された親」の叫び