交通死ー遺された親の叫びⅠ(2013~1998)

【コラムNo.016】2003/7/8 交通安全への高校生の思い

2003年7月8日

 今春、岩見沢市の岩見沢東高校の交通安全教室に招かれ「命とクルマ、残された親からのメッセージ」を伝えた。後日送られてきた感想文の内容は素晴らしいものだった。感謝を込めて一部を紹介させていただく。

 「以前は『悲劇の物語』程度にしか受け止めていなかった自分が恥ずかしい」
 「『交通事故死も殺人被害』と考えたことはなく、事故だからしょうがないと思っていました」
 「泥棒より交通事故の罪が軽いことを初めて知った。人の命が軽視されすぎ」
 「運転の技術だけではなく、人格的に優れている人だけが免許をとるべきだ」
 「免許取得はプロになること。ひと月で取れるのはハードルが低すぎる」
 「ハンドルを握ったら、よそ見や電話をした時点でもう立派な罪。危険とわかってする行為だから、決して『事故』とは言えない」
 「自分が死んだ時悲しんでくれる人がいるように、運転中すれ違う人すべてにそう思ってくれる人がいると考えれば、絶対に軽い気持ちで運転できないはず」
 「被害者にならない努力は難しいので、加害者にならない努力をする。加害がなければ被害もない」
 「『命を大切に』とよく言われます。これから私たちの世代がそのことをしっかりと受け止め、歩行者が安心して歩ける社会をつくっていきます」
 「『頑張ってください』ではなく『一緒に頑張りましょう』と言いたいです」

(前田敏章=札幌・北海道交通事故被害者の会代表)
(「北海道新聞」2003年7月8日夕刊のコラム「プラネタリウム」に掲載)

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