この8月から、北海道と東北の刑務所や少年院など矯正施設での「生命のメッセージ展」が始まりました。(記事は「北海道新聞」8月30日付)
8月29日は道内3番目となる帯広少年院、翌30日は4番目の釧路刑務支所で開催され、私は道内のメッセージ展参加家族とともに、設営と入所者への説明の任に当たりました。
記事にあるように、帯広少年院では、約20名の院生が理不尽に奪われた「79命」のオブジェ(会場の関係で全国を回る「158命」の半数)からの声なき声と真摯に向き合い、命の大切さについてそれぞれが胸に刻んだと思います。
また、道内初開催の刑務所となった釧路刑務支所でも、やはり約200名の受刑者が被害者からのメッセージ(ここでは「98命」のオブジェ)と直接向き合い、償いについて深く考える機会となりました。
この矯正施設でのメッセージ展という企画は、いのちのミュージアム(鈴木共子代表)が法務省に働きかけ、今年から始まった事業です。2005年の監獄法改正(これまで刑務所での処遇が「刑務作業」だけであったものから、「改善指導」や「教育指導」が可能となりました)と、同じ2005年に閣議決定された「犯罪被害者等基本計画」(Ⅴの第2の2の(12)ア及び第3の1の(24)アで、「再被害の防止に資する教育」および「犯罪被害者等の意見等を踏まえた適切な加害者処遇の推進」のために「被害者の視点を取り入れた教育」が導入されることになりました)によって可能となりました。今年は初年度で札幌矯正管区と仙台矯正管区内の刑事施設と少年院、計23施設(道内は12施設)での実施が予算化されました。5年計画で全国の矯正施設で実施予定とされています。
私は、2005年から道内の矯正施設で矯正教育に携わってきました(少年院が多いですがこれまで延べ36箇所)が、この度は、長女(千尋)自らが全国の仲間と共に加害の立場の人の前に立ち、その使命をここでもしっかり果たそうとしている姿に、複雑な心境ながらやはり励まされました。
引き続きメッセンジャーとともに奮闘しますので、よろしくお願いします。