交通死ー遺された親の叫びⅠ(2013~1998)

【コラムNo.007】2002/4/15 雪解け早く?道内交通死最悪ペース - 求められるのは具体的な「規制」

2002年4月15日

 「道内交通死 最悪ペース」(「北海道新聞」02/3/23)こんな見出しに、春の陽射しにも心からの暖かさを感じることができません。今冬は雪解けが早く、スピードを出すドライバーが増えたのが原因とのこと。

 「寒さで?交通死大幅減」(「道新」01/3/3)これは、厳寒であった昨年同時期の見出しです。

 被害の要因は、アイスバーンより、クルマが自由奔放に走れること。これが現在のクルマ使用の構造的問題です。

 ドライバーが路面状態や歩行者に警戒して走れば(走りづらくすれば)犠牲は減るのです。ではどうすれば警戒心を持つのか

 事故原因の多くが前方不注意ですが、この要因の一つで、最近増えているのが携帯電話使用です。道内の昨年の携帯電話に絡む人身事故は142件で1人死亡217人がけがをしたそうです。(「道新」02/4/2)運転中の携帯電話使用は道交法(71条1-5-5)でも禁じられており、違反し危険を生じさせた場合、3月以下の懲役又は罰金が科せられます。しかし、道警のアンケート調査では、携帯電話を使用して人身事故を起こした30人のうち10人が危険と認識しながらも使っており、一般のドライバーでも8割が危険と知りながら、「使用したことがある」は約9割にものぼるそうです。(前出「道新」)

 モラルに任せては交通犯罪撲滅、被害ゼロは実現しません。バスや列車の運転手が運転中私的な携帯電話を使用することなど考えられるでしょうか。

 重大交通犯罪である飲酒運転についても全く同様です。根本的矛盾は、危険極まりないクルマが、便利だからと強い規制もなく使用されていることだと思います。

 「運転手に注意を促す」→「危険と認識する」→「しかし自分は大丈夫と、危険を犯す」→「人身事故」→「注意を促す」

 この「要因の連鎖」を絶ち切らなくてはなりません。決め手は社会的な「規制」を具体的にすることです。飲酒、速度・・・。

「北海道交通事故被害者の会」会報8号(2002/4/15)の「編集を終えて」より

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