交通死ー遺された親の叫びⅡ(最新〜2013) 交通死傷ゼロへの願い

【報告】7・13 飲酒運転根絶の日のとりくみ

2016年7月7日

飲酒運転根絶条例制定後初の「7・13 根絶の日」

 7月13日は、小樽ドリームビーチで起きた3人死亡1人重傷という許し難い飲酒ひき逃げ事件から2年目の日です。

 昨年12月1日施行の「北海道飲酒運転の根絶に関する条例」は、第15条(下記)でこの日を「飲酒運転根絶の日」と定め、道民一体となり、「飲酒運転をしない、させない、許さない」の取組みを行なうこととしました。(下記、北海道交通安全推進委員会のチラシ参照)

 この日、北海道や札幌市、各総合振興局などが、全道14の会場で「飲酒運転根絶の日 決起大会」を開催し、以下の会場では、被害者の会を通して講師依頼があり、会員が飲酒運転根絶と交通死傷ゼロを強く訴えました。

 また、札幌会場では、昨年11月の道交通事故被害者の会主催のフォーラムで講演いただいた小佐井良太准教授が「飲酒運転死傷ゼロの実現に向けて」と題して基調講演されました。

基調講演スライド資料 ⇒⇒ 「飲酒運転死傷ゼロの実現に向けて」(小佐井良太氏)

飲酒運転根絶の日 決起大会

空知局  岩見沢市文化センター 11:00~  講師:白倉裕美子さん
渡島局  函館市芸術ホール 14:00~ 講師:高石洋子さん ※ここは7月11日です
上川局  旭川市市民活動交流センターCoCoDe 14:00~ 講師:山下芳正さん
留萌局  留萌合同庁舎 13:30~  講師:伊藤博明さん
宗谷局  宗谷合同庁舎 13:30~  講師:前田敏章
      講話レジュメ ⇒⇒ 「交通死傷ゼロをめざして~遺された親からのメッセージ」

 また、2年前に忌まわしい事件があった小樽ドリームビーチでは、道条例制定を呼びかけた新藤利一さん(学生有志でつくる「アルコール問題対策委員会」委員長)や(岩見沢会場から駆け付けた)白倉さんが、チラシを配るなど啓発活動を行いました。

道条例を力に、実効性あるとりくみを
視点を正し、命の尊厳から、クルマ社会の根底を見直すこと

 今年に入ってからも飲酒事件は減らず、未だ条例の主旨が道民一人一人に浸透しているとは言い難い状況があります。
 「飲酒運転問題に第三者はいない」(小佐井先生の講話レジュメより)ということを胸に刻んで、今後一層の実効あるとりくみへの第一歩にしなければならないと思います。

 その意味でも、この日の各地の大会で、被害遺族の直接の訴えを聞いていただく機会が得られたことは重要と感じました。飲酒運転根絶の取り組みは、飲酒事件の10数倍の死者や負傷者を出し続けている交通死傷被害全ての根絶に直結しなければならないと、強く思うからです。

 そのためには、視点を正し(被害者の視点から命の尊厳を基底に)、根底の問題~クルマの危険性、スピードや効率が優先されて命が軽く扱われている麻痺した「クルマ優先社会」、子どもやお年寄りの安全を守りきる社会になっていない現状、など~を直視し、パラダイム(規範や考え方)の転換が不可欠です。稚内会場ではそのことを強調させていただきました。            

 なお、各決起大会で配布された下記チラシの裏面には、飲酒運転に対する罰則と合わせ、アルコールの1単位と処理にかかる時間の関係、飲んだ日の翌日の注意など貴重な情報が記されています。

    ⇒⇒⇒ チラシ裏面

※道条例 第15条(飲酒運転根絶の日)
 道民が飲酒運転の根絶に関する理解及び関心を深めることができるよう、7月13日を飲酒運転根絶の日とし、道及び道民等は、一体となって飲酒運転を根絶するための取組を行うものとする。

2016年7月14日 北海道新聞 (留萌・宗谷版)

「公益社団法人 北海道交通安全推進委員会」作成のチラシ

ACジャパンが、飲酒運転根絶の北海道地域キャンペーンCMを制作

 飲酒運転根絶への道民の願いを受けて、公益社団法人ACジャパンが、飲酒運転根絶のための公共広告(TV、ラジオのCM)を制作して下さいました。7月からの1年間、災害時や広告主の都合で流せないCMの差し替えとして流されるそうです。
 以下、内容紹介させていただきます。

TV版CM(30秒バージョン)

海岸線の道路。行き交うクルマが途切れたとき、道端に供えられた花束に焦点が当てられ、次の字幕が現れます。
  「飲酒運転による事故の100%は、防げた事故でした」(写真)

そして、再びクルマが行き交い、次のナレーションが流れます。
  「もう二度と、悲惨な事故をくり返さないために、飲んだら運転しない、ただ、それだけです。」

最後の場面、道路に花は無く、字幕は
   「飲酒運転を0に」

ラジオ版CM(40秒バージョン)

以下ナレーション

「平成27年、北海道内で発生した飲酒運転による人身事故は161件。12人が命を落としています。
これら飲酒運転による事故の100%は、防げた事故でした。
もう二度と、悲惨な事故をくり返さないために、飲んだら運転しない、ただ、それだけです。」

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