11月26日、道議会全会一致で可決。施行は12月1日
昨秋以来の小樽飲酒ひき逃げ事件の公正な裁きと再発防止を求める取り組みの中で、大きな課題であった飲酒運転根絶条例ですが、砂川での家族5人死傷事件という悲惨な犠牲も相次ぐ中、このほど、道条例制定・施行という新たな出発点に立つことができました。(後掲の報道記事参照)
私たち被害者・団体は、いち早く署名活動を提起した北大生などで作る「アルコール問題対策委員会」とも協働し、より実効性のある総合的な条例となるよう求めてきましたが、道条例は以下の内容・特徴をもっています。
当然ながら、条例制定は交通死傷被害ゼロのための新たな一歩です。飲酒運転を「しない」はもちろん、社会問題としてとらえ、「させない、許さない」という実効性を持たせるために、それぞれの立場で一歩否「半歩」進めることが求められると思います。
【「北海道飲酒運転の根絶に関する条例」の意義と特徴、被害者等の要望の反映など】
- 飲酒運転を「しない」はもちろん、「させない、許さない」を基本とし、全道民あげてとりくむこという目的と理念を明確に掲げたこと。(前文、第1条、3条)
- 飲酒運転根絶のための社会環境づくりを重視し、事業者、家庭、学校、地域住民、行政など社会全体でとりくむことを明記したこと。(第2条、3条)
- 特定事業者として、飲食店営業者、酒類販売業者、タクシー事業者、代行業者を挙げ、それぞれの責務を明記したこと(第2条、7条、8条、)
- 飲酒運転を「させない」ために、道民、事業者、特定事業者それぞれの場において飲酒運転のおそれがある者への「制止」や「通報」という責務を明記したこと。(第5条~8条)
- 特定事業者に広報等の責務を定めたこと。事業者の責務にイベント主催者も加えたこと。(第7~9条)
- 北海道の地域性を考慮した条文~ 「飲食店営業者等は、それぞれの営業時間に係る地域の状況を勘案し、来店者への情報提供等タクシー事業者及び代行業者と連携して飲酒運転を根絶するための社会環境づくりに努めるものとする」(第7条の3項)~が、8月4日提出の意見書を反映し、全会派のPTでの意見聴取(10月1日)後に付加されたこと。
- 飲酒運転の予防のために、アルコール健康障害を有する者への相談支援を、また再発防止のために、知事部局と公安委員会が連携しアルコール依存症の疑いがある検挙者に保健所における保健指導を促すなどとしたこと。(第12条。検挙者への受診義務規定は見送られ、今後の検討課題とされている)
- 飲酒運転根絶の教育及び知識の普及を重視し、その中で児童生徒の発達段階に応じて「生命の大切さ」を教えることを加えたこと。(第13条)
- 道と道民が一体となって取り組みを進めるため、(小樽事件が起きた)7月13日を「飲酒運転根絶の日」と定めたこと。(第15条)
新聞記事
朝日新聞12月5日 Opinion北海道
★朝日新聞が特集記事で、法制度の研究者として、愛媛大准教授小佐井良太氏、アルコール問題に詳しい医師として、山家研司氏の談話を紹介しています。⇒ 「飲酒運転 根絶するには」(朝日新聞12月5日 Opinion北海道)
「北海道新聞」 2015年11月27日
★「北海道新聞」 2015年11月27日